H13 元箱根石仏群(もとはこねせきぶつぐん)
~後期中央火口丘の溶岩でつくられた石仏群~
Motohakone Stone Buddhas
ジオサイト解説
箱根石仏群は上二子山と駒ヶ岳の鞍部に位置しており、地質的にも上二子山の溶岩と駒ヶ岳の溶岩(※1)の境界部にあたります。また、元箱根から続く箱根町-宮城野断層(※2)の延長上に相当すると考えられています。ここには上二子山もしくは駒ヶ岳の溶岩で構成される崖をそのまま彫りぬいた 磨崖仏
と、溶岩を切り出して造った 宝篋印塔 があります。
精進池は、中世の箱根越えとして利用された湯坂道が通っていますが、当時は近隣の各所に噴気が立ち上る荒涼たる風景があったことから、人々から地獄と恐れられました。それゆえ旅ゆく人々を救う仏として信仰されたのが地蔵菩薩です。この周辺にはそうした地蔵信仰に基づく石仏や石塔が数多く建てられ祀られました。これらは元箱根石仏群として国重要文化財に指定されています。
※1 溶岩:マグマがバラバラに飛び散らずに地表に流れ出たもの。高温で液体のものと、冷え固まって固体のもの、両方に使う。
※2 断層:地層が力を受けて、食い違いを生じた割れ目のこと。
Ancient god-fearing people imagined hell when they passed Shojingaike pond, located on the roadside of Route 1 near Ashinoyu, because of its isolation and the view of the steaming mountain behind the pond.
In the 12th century, people inscribed Buddha images on the rocks by the roadside to pray for the safety of travelers on the highway.
The rocks, which are lavas(※1) of Hakone volcano, were favored for such stonework by the ancient people of the Tokyo area, starting with Kamakura.
※1 lava:We call Lava when magma reaches the surface and flows without being scattered in pieces.Both hot liquid form and solid form after cool down are called lava.
キッズジオパーク
元箱根石仏群とは、国道1号沿い芦之湯温泉付近にある石仏や石塔をいいます。約700年前の鎌倉時代につくられ、国の重要文化財に指定されています。
鎌倉時代には、この付近は京と鎌倉を結ぶ重要な交通路(鎌倉古道・現在の国道1号)でした。その当時、ここは火山活動の残る荒れた地形で「地獄道」とよばれ、旅人に恐れられていたため、石仏・石塔群をつくって旅人の安全を祈ったとのことです。
(提供:箱根町)