H18 白石地蔵と福住旅館外壁(しらいしじぞうとふくずみりょかんがいへき)
~箱根火山の軽石質の基盤岩を利用した地蔵像と外壁~
Shiraishi-jizo (Stone Statue) & Outer Rock Walls of Fukuzumi Ryokan
ジオサイト解説
箱根湯本は早川と須雲川が箱根火山を削り込んだ谷底に発達した温泉街で、地質は主に早川凝灰角礫岩と呼ばれる今から400万年ほど前に堆積した海底火山の噴出物からなります。この地層には軽石が大量に含まれるので、全般的に白く、柔らかく、白石地蔵は早川凝灰角礫岩を彫って作られた磨崖仏です。近くには昔、石切り場がありそこから採取された岩石は福住旅館の外壁に用いられています。
中世の箱根火山は、険しい山々と各所に見える噴気から地獄と見なされ、地蔵信仰の広がりと共に各所に地蔵菩薩が祀られました。箱根火山の入り口である現在の湯本駅周辺も、あたかも賽の河原に見立てられ、旅人を見守る仏として刻まれたのが白石地蔵です。やがて近代となると、白石は建材としても注目され、擬洋風建築として建てられた福住旅館の外壁に用いられることとなりました。
Strata at the bottom of the Hakone-Yumoto valley were formed by submarine volcanoes around 4 million years ago. These strata, which are much older than the Hakone volcanoes, include a lot of pumice, giving them their white color and making them soft and easy to carve.
Shiraishi-jizo, or the white-stone Buddha, was carved into pumice rocks behind Hakone-Yumoto Station. Rocks collected from such strata are used on the outer rock walls of Fukuzumi Ryokan, a Japanese-style inn.