H3 神山と流れ山(かみやまとながれやま)
~約 3000 年前に起きた山体崩壊の痕跡~
Mt. Kamiyama and Hummocky Hills
ジオサイト解説
神山は箱根火山後期中央火口丘(※1)の1つで、箱根の最高峰をなす成層火山です。最新の活動は約3000年前で、北側が大きく崩壊し、馬蹄形カルデラを形成し、崩壊物は岩屑なだれとなって早川をせき止めて、現在の芦ノ湖を形成しました。崩壊物が堆積した姥子周辺には、山体の巨大な破片である岩塊が突出した船見岩、金太郎岩、望湖石などの「流れ山(※2)」の地形が見られます。
神山は、隣接する駒ヶ岳とともに古くから信仰を集めた山です。毎年10月24日に駒ヶ岳山頂で執り行われる「御神火祭」は、まさにこの神山を 神 籬 として真正面に拝するもので、神山をご神体として崇める山岳信仰の形を今に伝えています。
※1 後期中央火口丘:カルデラの中にできた比較的小さな火山体を中央火口丘という。箱根火山では前期、後期2つの活動期がある。
※2 流れ山:斜面により発生する岩屑なだれの堆積地域にできる小さい山のような地形のこと。
Debris formed by the collapse of Mt.Kamiyama about 3000 years ago blocked the Hayakawa River and Lake Ashinoko was formed.
Large rocks, such as Funami-iwa and Kintaro-iwa near Ubako, are chunks of collapsed mountain that surfaced on the debris deposit.
Large rocks, such as Funami-iwa and Kintaro-iwa near Ubako, are chunks of collapsed mountain that surfaced on the debris deposit.